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片想いの行方

第32章 選択、そして決断の先に



「………………本気で好きだったの」





握られた缶ビールの上に、涙が落ちる。




「どちらも手に入れようなんて、最初は思わなかった。



だけど、選べなかったのよ。



………2人とも、すごく優しくて、真っ直ぐで。



こんな私でも、2人といると、同じように心が綺麗でいられる気がしてた。




でも、私だけじゃないわ。



あの美和って子も、他の子も



2人を知った女なら、みんなそう感じるのよ。




………何なのよ、あいつら………」





私の話を黙って聞いていた麗子が



ふっと笑って口を開いた。





「そりゃ~そうよ。



蓮くんは、苦労して離婚したお母さんを支える、根本的な愛と精神力がある。



うちの蓮だって、女を大事にする男になるように、ママが徹底的に叩きこんで育てて、私が鍛えあげたんだから。



その辺の高校生とは、器が違うのよ♪」

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