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片想いの行方

第33章 伝えたい想いを、あなたへ



振り返ると



太陽の光を背中に受けた蓮くんが、微笑みながら立っていた。





「……………蓮くん………」




ドキドキが、苦しいほどあたしの全身に伝わる。



し、静まれ……あたしの心臓!



蓮くんは、そのままあたしの隣りに腰を下ろした。




あ、あれ……?


蓮くん何も持っていない……




「れ、蓮くん……トロフィーは?」




あたしが聞くと、蓮くんは笑った。



「表彰の後、俺が持ってると雑に扱うからって。

顧問に取り上げられたよ。

どうせ学校に飾られるんだから、もう少し持たせてくれていてもいいのにさ」



蓮くんの言葉に、あたしも思わずクスっと笑ってしまった。



地区大会の時も、賞状を手に丸めて持っていたっけ。



今回は、さすがにあんな大きいのは、持てないもんね。

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