
片想いの行方
第47章 探り合い
「ジメジメしやがって暗いっつーの。
だいたいお前、自分のことは黙って話さねーくせに、人の事探る資格なんてねーだろ」
「………っ」
それは………
まぁ、その通りだけど………
あの頃は、自転車に乗って、制服を着て、甘いジュースを飲んでいた彼が
今はタクシーに乗り、汐留のBARで私と一緒にお酒を飲んでいる。
10年も経ってるんだから、当たり前だけど
自分の事は隠しているのに、今のヒメを知らな過ぎて、つい現状を聞きたくなる。
「……ヒメ……
い、今……1人なの………?」
ドキドキする胸を押さえて
私は唐突に質問を投げかけた。
……ビールを持つ左手の薬指に、指輪は無い。
すると、ヒメは視線を私に向けて、ふっと笑った。
「俺ね、自分で言うけど
今でもすっげーモテんの」
「…………!」
「悪いけど、女に苦労したことない。
そんな男に彼女がいねーと思う?」
………………っ
