
片想いの行方
第52章 その男、再起不能
…………なに?
ドキドキと心臓が鳴り響く。
「この集合写真に写ってる錚々たるメンバーの中で、お前の父親は1番下っ端らしいな。
この真ん中らへんにいるオッサン達に、お前の素性を明かしたら……どうなる?」
ヒメの低い声に、一条さんの体が震えあがる。
「ま、待て……!
何を意味の分からないことを……
だいたい、お前ごときが幹部に接触できるわけが……」
「バカだな。 俺じゃねーよ」
ヒメは写真をポケットに戻して続ける。
「 “ 俺の次に ” イケメンのあいつでも。
あんなでけー会社で既に有望株になっているらしい。
世界中を駆け巡ってる、若手のホープなんだとさ」
「………………!」
今………なんて………
「上のお偉いさんとも通じてて、今回の件も既に色々と動いてもらってるから。
お前の処分方法がどーなるかはよく分からねーけど。
………えげつないみたいよ?」
「………………!!!」
一条さんの顔から、血の気が引いていく。
………総合商社。
世界中を飛び回る、若手のホープ。
“ 俺の次にイケメンのあいつ ”
