
片想いの行方
第54章 再会
『……それで、どうなの?』
もう一度聞くと、ヒメは前を見ながら答える。
『お前、この俺様の金曜日が、こんな直前で空いてると思うか?』
『………!』
ヒメの言葉に反応すると、こっちを見てニヤッと笑う。
『まぁ、お前がど~してもって言うなら、特別に付き合ってやってもいいけど?』
『……っ
よ、予定があるならいいよ……』
『あれー、お前の感謝の気持ちってそんなもん?
あれだけ盛り沢山な演出をしてやったのに、酷い女だな』
~~~!
相変わらずこの上から目線の口調……
私を助けてくれた時は、スーパーマンに見えたのに。
……だけど
『……お願いします』
『聞こえない』
『…っ!
金曜日の夜、一緒にゴハン食べにいってください!』
『メシだけ?』
『は!?』
『俺、他にも食いたいものがあるんだけど』
ヒメは立ち上がると、私の手の中に飲みかけのコーヒーを置いた。
『俺が何をして欲しいか
お前に何をしたいか
俺の腹に蹴りをいれたあの夜を思い出して
金曜の夜までによく考えておくんだな』
