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片想いの行方

第59章 弱さと痛み

「蓮くんとヒメの間でずっと揺れ続けて、このままじゃダメだってことは、本人が1番分かってるのよ。


もしも、今……


何かのきっかけで、美和が答えを出そうとしてるのだとしたら


私は、その決断を支えてあげたい」





いつも凛としていて、気の強いアンナの目に



大粒の涙が溢れる。





「……こんな事しか言えなくて、ごめんね……」




「……アンナ……」




「ヒメが、美和の事をどれだけ想っているか……
今回の事で、私も痛いほど分かってるの。


でも……その強い想いを美和に伝えたら……


美和は、蓮くんとヒメの間に挟まれて、また選べなくなってしまう。


自分の気持ちが分からなくなって、きっと苦しんでしまう。




……私は




美和に幸せになってほしいのよ………」







アンナが手で顔を覆った。






俺はキャンドルの灯を見つめた後、静かに目を閉じる。







………今も、これまでも





浮かんでくるのは





いつだって美和の笑顔だった。


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