テキストサイズ

片想いの行方

第59章 弱さと痛み



ゆっくりと目を開いて、外の夜景に目を向ける。



寒さによって少し曇った窓に、色とりどりの灯りが滲んでいた。








「………アンナ」







俺が口を開くと、アンナは顔を上げた。







「………なに?」










「………人を好きになるのは、辛いな」








「……………!」











「……俺、何で美和しか愛せないんだろう」







こんなこと言っても仕方ねーのに



行き場を見失った想いが溢れて、止まらなくなる。








「あの頃はそれでもいいと思ってたし


美和が幸せならそれでいいって、本気で思ってた」







今だって本当は





美和が笑顔でいられるように、優しい心で応援してやりたい。





それなのに








「なんで俺は……



あの頃と同じように


心が綺麗なままでいられないんだろうな………」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ