
家庭教師なんか大嫌いだ。
第1章 家庭教師
にっこり笑顔が、そのまま停止した。
えっ・・・?
も、もしかしたら・・・?
「・・・は?」
ゾクリ。静かで低い声に一瞬体が強張る。
「だから、か、彼氏が・・・」
ちなみに、本当はいない。いる筈無いんだけど。うん。
「・・・苛つく・・・」
ボソッとなにか言った気がしたが、何か聞こえなかった。
「・・・んっ!!・・・」
えっ!?
唇に柔らかな感触がしたことに、驚きすぎて
馬鹿な私の脳は、何が、起こったのか分からずに困惑した。
「ファーストキスも貰うつもりだったのに。」
・・・つもりも、何もこんなの初めてに決まってるだろ。
人生1回切りのキスがこんな形で奪われるなんて・・・
絶望だ。
