
秘密の花園
第3章 周囲
「行ってらっしゃいませ、未弥お嬢様」
「.....はい」
やっぱり昨日の事があってから気まずいかも.....。
教室に入ると、1人の女の子が近付いて来た。
「おはよう。えっと...未弥さん?」
「....え?あ、はい」
同級生に初めて声掛けられたかも。
華奢で、それでも性格は明るそうな笑顔の似合う子。
「す、少し相談があって....」
「あ、じゃあ...、廊下に出ましょうか?」
こんなに初対面で、なんの親しみのない人に相談なんてしていいの?
「あの....」
「はい」
「こんな話を人にするのっ、どうかと思うけど。実は....、昨日、私.....執事としちゃって.....」
大体予想はつく。
殆どの確率で、あれだ。
「先輩の話を聞いている時にね、クラスメイトの皆、どこか嬉しそうだったの.....」
私のクラスメイトはそんなにハレンチだったのだろうか。
その話を聞いて私は唖然としてしまった。
「けれどね、未弥さんだけは違ったの。凛としていて、乱れがなかった。そのことを思い出して....、相談させてもらったの」
「あ...うん」
私も緋月さんの事で悩んでたし、相談に乗ってみてもいいかな....。
