
秘密の花園
第4章 未知
全く…面倒な執事だ。
「分かりましたよ、行きますって。だから脱がないで下さい」
緋月さんはこちらをジッと見て、しばらくするとニコッと笑い、どうぞ、と椅子に私を促した。
私はバスタオルを巻いて椅子に腰を下ろした。
緋月さんはすぐシャワー蛇口を捻りお湯で身体を流してくれる。
「最初から大人しく従えばいいものを」
「え…っ」
私が反応するよりも早く緋月さんは私の肩を持って自分の方へと向かせた。
彼の顔が迫ってくる。
「貴方は…、なんなのですか」
「なんなのって?」
「執事の自覚がおありのようには思えないのですが」
「それを言える立場なんだ…。…未弥は」
え?
…今、呼び捨てだった…?
「知ってるんです。全て」
「…何をです」
「未弥がここにいる意味、かな?」
クスッと蔑むように微笑むとすぐに唇を奪われた。
逃げようと身体をよじっても肩を捕まれているせいで動けない。
「離、し…なさい…っ」
すると、緋月さんは私の唇をキリッと噛んだ。
