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恋密度〜官能・従兄妹編

第2章 蒼い果実

「さっきの人…親戚?」


「うん!従兄のお兄ちゃん。七年ぶりに帰ってきたんだよ」


的場クンに聞かれアタシは答える。花火も終わり、二人で露店を見ながらアタシは約束の焼きイカを買った。

外灯のあまりない薄暗いあぜ道を歩いていると、向かいの暗がりから懐中電灯の明かりがユラユラ揺れる。


「……真美?」


「お兄ちゃん?どうしたの?お祭りもう終わっちゃったよ…」


「遅いから…おばさんが迎えに行ってくれって──」

「お母さんが?」

──おかしいな?いつもそんなこと気にしないのに…


あたしはそんなことを思いながら途中まで送ってくれた的場クンに別れを告げて、お兄ちゃんの隣を歩いた。

「そだ!はぃ、イカ焼きちゃんと買ったよ」


「お、サンキュ。まだ熱いじゃん!」

「今、買ったばっかだもん!!」


お兄ちゃんは嬉しそうにイカ焼きの袋を手にし、微笑む。

「あったかいうちに食いたいな…なぁ、真美…久しぶりに、向こうの神社行って見るか?そこでイカ食おうか!」


「うん!」

「‥クスッ‥真美は俺が何言っても、うんっ!て言うな」

返事を返すアタシにお兄ちゃんは笑いながらそう言った。

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