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恋密度〜官能・従兄妹編

第3章 愛蜜狂い

短くて長い

そんな二年だった──


大学の夏期休みにも帰郷しようと思えばできたのだが俺は帰らなかった。

真美を迎える為に俺にはやらなければならないことがあったから…

俺はこの二年間、一人暮らしの資金を貯める為に大学とバイトに明け暮れた。
俺の勝手な我が侭で親に負担をかける訳にはいかないと家賃だけでも自分の手で…そう思ったから。

今では、お前が出て行って丁度よかったと親父は言う。
両親とも、真美が来ることをとても心待ちにしていた

『女の子がいた方が家が
明るくなるわ』

俺の部屋は瞬く間に少女趣味の部屋に変わっていた。
『俺にもう、帰って来るなってことか?』


さらっと皮肉った俺の言葉にお袋は無言だった。


少し複雑な気もするけど、まぁいい…今は腕の中にある幸せを噛み締められるだけで充分だ。


あの日、幼い真美と秘めた遊びをし自己嫌悪に陥りずっと真美に会いに行くことが出来なかった…

そして、二年前──

気持ちを整理する為に帰郷し、真美とお互いの想いを確かめ合うことが出来て…

その時約束した願いは叶い、今、確かに俺の腕の中にある。

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