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恋密度〜官能・従兄妹編

第3章 愛蜜狂い

見送りの場所からお母さんが手を振ってくれている。その目には微かに涙がにじんでいた。

あの約束から二年‥

私は中学を卒業し今年の春から東京の看護専門学校に入学する。
お兄ちゃんは今年の春から駅近くのマンションで一人暮らしを始め、私は叔母さんの家に居候。家を出たお兄ちゃんの部屋を使わせて貰うことになっていた──




「真美!」


「──!?…お兄ちゃん!」

空港に着き出口に向かった途端に会いたかった人の眩しいほどの笑顔が…

電話でしか聞けなかった声が──

優しい笑顔を向けながら私の名を呼ぶ。


「お兄ちゃんだけ迎えに来てくれたの?」

周りに叔母さん達がいないことを確認しながら聞いた。

「なに?もしかして俺だけじゃ不満だった!?」


「うぅん!!堂々とこうしたかったの!」

少し拗ねたような顔をするお兄ちゃんに私は思いっきり抱きついた。

「──っ!…真美…」


お兄ちゃんはそんな私の背中に腕を回し、そしてそっと抱きしめ返す。

「真美…俺の我が侭聞いてくれてありがとう……これからよろしくな…」


私の大好きな人は嬉しそうな笑みを溢してそう囁いていた…

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