
甘い恋の始まりは最悪の出会い
第1章 日常
トントントン…
ジュージュー…
グツグツグツ…
よし!完成!!
ソファーに座りながら別々の事をしてる2人を呼ぶ。
美「2人とも出来たよ!待たせてごめんね」
あたしは完成した料理を運んで4人がけのダイニングテーブルに並べる。
龍「うまそっ!ありがとな!」
そう言いながら龍は自分の席につく。
虎「…」
虎我は無言で龍の斜め前の席に。
あたしもエプロンを脱いで、龍の隣の席に座る。
そうなると必然的にあたしの前は虎我になった。
龍「じゃあ、頂きます!」
虎「いただきます…」
美「いただきます!」
皆が食べ始めたのと同時に私も食べる。
んー!我ながら上出来♪
龍「うまっ!」
美「でしょ?」
あたしは満面の笑みで答える。
だって、自信作だもーん♪
龍「てか、肉じゃがなんて久しぶり。」
そう。あたしが作ったのは肉じゃが。
あたし、大好きなんだよね~♡
肉じゃが♪
あたしは次に目の前に座って黙々と食べる虎我を見た。
虎「…」
美「ねぇ美味しいでしょ?」
あたしの声に顔を上げる虎我。
虎「フッ…まぁまぁだな。」ニヤリ
イラッ
美「左様でございますか!なら今度からアンタの分は作りませんっ!」
虎「まぁまぁ。って褒めてんだけど?」ニヤニヤ
ニヤニヤしながら言ってくる虎我にイライラが募る。
マジでコイツに作ってやんね。
美「もういいし」
虎「冗談だって。旨いよ」クスクス
クスクス笑いながら言われても嬉しくないし。
美「あっそ!」
無視して自分のご飯を食べる。
虎「拗ねんなって」クスクス
それから食べ終わるまでの間、ひたすらあたしは拗ね続けて、ひたすら虎我に笑われた。
そんな2人を少し冷たい目で見てる龍に気づかなかった。
