
あなたは特別
第1章 あなたは特別
「えー、いいじゃん!」
少し強引な態度にムッとしたとき
「里穂さん、今日は俺と飲み行く約束
してるんすよ〜」
2つ年下の東條 直也(とうじょうなおや)
が割って入った
「えー、残念〜また誘うわ
じゃあお先にね」
同期の子は鼻歌まじりにデスクを後にした
「東條、ありがと」
「いえ、里穂さんキレイですから
お持ち帰りとかされたら俺が困るんで」
こんなセリフをサラリと言われると
内心照れてしまう
「里穂さん助けてあげたお礼に
本当に一緒に飲みましょうよ」
無言の私に東條は
「俺おごりますよ」と私の顔を覗きこんだ
