テキストサイズ

殺人鬼の棲む島

第17章 3日目 早朝

「それとも私が子供だからって適当なこと言ってごまかそうとしてるんですか?」

本人はそれなりに気を使ってるつもりなのだろうが、大人からしてみれば望や悠夢、ゆきめらの中学生たちは言いたいことをはっきりと言ってくる。

その真っ直ぐさがソラは苦手だった。

「別にごまかしたりはぐらかしてるわけではないよ。わからないんだ、本当に」

「本当はソラさんが殺人鬼なんじゃないですか?」

望がそう呟いたところでリビングに「おはよー」と能天気な声が響く。
遥風だった。

「や、やあ、おはよう」

今ほど遥風に感謝した瞬間はソラにはなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ