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殺人鬼の棲む島

第17章 3日目 早朝

望は何も言わずすっと遥風の脇を通り過ぎてリビングを出ていく。

気まずい空気が流れていることに遥風も気付く。

「…………もしかしてお邪魔だった?」

「んなわけあるかっ!! どんな推理力なんだよ、あんた!!」

含み笑いを浮かべた遥風はキッチンに向かい、食パンにジャムを塗る。
それを咥えたままひょこひょことリビングを出ていこうとする。

「どこ行くんだ?」

ソラは既に遥風には敬語を使わず、タメ語になっていた。

それは憎らしさと気安さの意味がこめられていた。

「ちょっと調べたいことがあってね」

それだけ言い残すとそそくさとリビングを立ち去っていった。

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