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殺人鬼の棲む島

第18章 3日目 朝 黒鵜岬

島のあちこちで鵜の姿は散見出来るが、黒鵜岬はその数が違った。

この断崖の下に鵜の巣があることは間違いなかった。

グルルルルッ
グァグァァッ

狂暴性すら感じる鳴き声が世話しなくあげられていた。

もしかすると自分を外敵と思い興奮してるのかもしれないなとTOMは感じた。

実際に数羽、岩場から飛び出しこちらの様子を伺っているようにも思えた。

「雛でもいるのかな?」

何事にも動じないTOMらしく素朴な好奇心で微笑む。

周囲を確認したのち、落ちないように腹這いになって崖の下を覗き混む。

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