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殺人鬼の棲む島

第18章 3日目 朝 黒鵜岬

その瞬間、TOMの視界に鋭利な刃物が向かってきた。

避けられる暇などなかった。


「ぐあああっ!?」

鋭い激痛が目に走り、視界は一瞬で消えた。

目の奥がチカチカする感覚だけがある。

慌てて崖から離れ、手を顔に当てるとねっとりとした熱い滑りを感じた。

やられたっ……!!

そう気づいたときは遅かった。

「バードウォッチングとは優雅なものですね」

聞き覚えのある声がゆっくりと迫ってくる。

視界を失ったTOMは這いつくばった姿勢のままゆっくりと後ずさる。

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