テキストサイズ

殺人鬼の棲む島

第34章 4日目 夜更け プレイルーム

「もうやめてぇええッ!!」

発狂したように叫ぶ声にみんながビクッとする。

「もう……やめてよ……」

床に伏せた望の声だった。

顔や手、髪にまで血をべっとりとつけ、ひっくひっくと息を詰まらせて泣き狂っていた。

「もうやめて……もうやだ……もう、帰りたい……帰りたいよぉおおっ!!」

「白々しい……」

泣き狂う望に吐き捨てたのはなんと悠夢だった。

「何が帰りたいよぉ、よ……あなたが殺したんじゃないの?」

悠夢は涙で歪んだ顔で望を詰る。

「時おりみんなを誘導するようなこといって、騙して、罠にはめて……あなたが殺人鬼なんでしょ!!」

物静かで気弱な子というイメージが微塵も残っていないくらい、憎悪に満ちた顔だった。

トレードマークのおさげも括っているゴムが外れ、乱れきっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ