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殺人鬼の棲む島

第37章 5日目 早朝 黒鵜館リビング

孫娘とまでは言わないがそれに近いくらい年の離れた娘に言われると弱いのか、京茶屋も大人しく引き下がった。

「まあこれだけ人数が減れば殺人鬼も逆に簡単に手を出せないんじゃないかな?」

ソラが思案した表情で見解をのべる。

「そうであって欲しいものね」

音楽に耳を傾け、目を閉じたまま紫響が頷く。

「……そういえばTOMさんってバンドでギタリストだったらしいわね。演奏、聴いてみたかったわ」

紫響は遥か昔のことを思い出す顔でそう呟いた。

「だから音楽が絡んだストーリーが多かったのね」

遥風はTOMの著作を思い出して合点がいった顔をする。

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