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殺人鬼の棲む島

第53章 7日目 丑三つ時 洞窟

苦労をかけた女房にこれから孝行しようと考えていた矢先での出来事だった。

失望に暮れた京茶屋はしばらく何も手につかなかった。

心配した娘はしょっちゅう顔を出してくれたが、京茶屋の開いた心の穴は埋まることがなかった。

そんなとき出会ったのがこの『そこそこ大人のケータイ小説』というサイトだった。

そのサイトで京茶屋は推理めいた小説を書き綴った。

現役時代は馬鹿にしていた推理小説。
しかし自分で書いてみて分かった。

推理小説は実に楽しいものだった。

現実の事件のように陰湿で悪質で利己的で生々しくない。

そして犯人は必ず捕まり、すっきりと事件は解決する。

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