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殺人鬼の棲む島

第53章 7日目 丑三つ時 洞窟

だから京茶屋はミステリーに没頭した。

このオフ会に参加したのもそんな自分の作品の感想を生で聞いてみたいという欲求があったからだ。

まさか自分がホラー小説の登場人物のような境遇になるとは夢にも思っていなかった。

奥へ奥へと進んでいくと手がやけに柔らかい壁に触れた。


「やだ京茶屋さんっ。えっち」


壁が笑いながらそう言った。

甘ったるくてコロコロと弾むような声。


悠夢の声に間違いなかった--

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