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殺人鬼の棲む島

第60章 7日目 午前 黒鵜館リビング

そして悠夢の部屋に身を隠す作戦にも理由があった。

なんと言っても殺人鬼の正体を知るものが殺人鬼の部屋に隠れるはずがないという発想。

殺人鬼も他人の部屋は探しても自分の部屋は探さない。


しかしそれだけが理由ではなかった。


殺人鬼の部屋に逃亡者が近寄る可能性はもっと低い。


当たり前だ。


この当たり前が大切だった。

逃亡者が集まれば殺人鬼はその物音に気付きやって来る。

紫響にとって他の生存者は足手まといに他ならなかった。

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