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島中を走り回ったあとに黒鵜館へ向かった。

すぐに館に行かなかったのは何となく遥風が選ばないように思っていたからである。

悠夢は慎重に玄関の扉を開く。


まるで罠を仕掛けてますと言わんばかりの静けさだ。

あちこち探して気配を感じなかったのだから、もうここしかいない。


悠夢はそう断定していた。


ポケットに忍ばせていたナイフを取り出し、周囲に意識を張り巡らせる。


現れた瞬間、間髪いれずに刺し殺す。

それですべてが終わる……