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殺人鬼の棲む島

第72章 8日目 真夜中~朝 黒鵜島

玄関には西洋の鎧が置かれている。

その鎧の中に遥風が隠れている気がしてならない。

悠夢はわざと気づいていない振りをして鎧に近付く。

鎧が動いた瞬間に横へ飛び逃げて後ろから倒してやる作戦だ。


しかしいくら悠夢が近付いても鎧は動く気配がない。


悠夢が蹴飛ばすと鎧は音をたてて崩れ落ちた。


「ちっ……」

勘が外れた悠夢は舌打ちをして素早く辺りを見回す。

今の音を聞いてもなにか動く気配は感じられなかった。

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