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殺人鬼の棲む島

第73章 8日目 帰還

「船着き場がある……ほら、あそこだ……」

漁師が指を指す方向を見る。

確かにその部分だけは入り江になっていて断崖にもなっていない。

「でもなんか変じゃない、あれ……」

未来が船着き場を指差してともこの方を振り向く。

「何が?」


「だって今日迎えに行くって知ってるんでしょ? なんか人がいなくない?」

確かに船着き場には人影がない。


いや、よく見たら一人、いる。

ボーッと佇むように荷物も持たずに立っている。

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