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殺人鬼の棲む島

第15章 二日目 夜更け

「だからそういうことを言い出すとキリが--」
「みんなを油断させて殺していく、とかね」

夏野が反論し終わる前に遥風が指を突き立てて夏野の前に立ち塞がる。

「手掛かりはあるでしょ? すまいるさんの死体ももう少し調べるべきだと思うし。それを拒んだのは京茶屋さん、あなたでしたっけ?」

「それは現場保存のためで----」
「もうやめてっ!!」

叫んだのはみじろっぷだった。

眼鏡の奥の瞳を涙で滲ませていた。

「もういいっ!! 誰が殺人鬼だって、そんなことどうだっていいっ!! 私は死ななかったらそれでいいっ!!」

肩をふるふると震わせて叫んでいた。

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