
「君は失恋をして、綺麗になった」
第2章 「なごり雪」
今日も変わらず通う図書室。
読書が趣味の凛がいるのは
大抵ここか、近くの公園のどちらか。
おかげで探すのがすっごい楽だけど…
「知ってる。
だから明日、三上に貸してもらう」
『あっそ……』
また三上さんですか……。
ただでさえ少ない凛との会話に
毎回と言っていいほど出てくる
〝三上さん〟。
毎年図書委員をするほど
読書家な彼女は
凛と本の趣味が同じで
幼なじみの私なんかより
ずっとずっと仲が良い。
私も本、読んどけばよかったな……
ほんと、ジェラスィー……。
