テキストサイズ

「君は失恋をして、綺麗になった」

第2章 「なごり雪」



『じゃあ……元気でね』


歩く方向を変えて、前へと進む。



近くに設置されたカーブミラーには
立ったまま私の背中を見送ってくれる
凛の姿が映っていた。





いつもなら
私より本をとるくせに……。


いっそ幻滅させてよね。











真っ白に広がる雪道に
しっかりと足を踏みしめる。


明日には消えてしまう足跡は
私の、かけがえのない勇気の証。

今日の自分への、大きな花マルだった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ