「君は失恋をして、綺麗になった」
第1章 「幸あれ」
そして告白したのが
ちょうど今から2年前の春休み。
最初は「考えさせて」と言われ
振られることを覚悟していた。
でも翌日の電話でOKをもらい
天にも昇る思いで
叫んだことを覚えている。
翔太…
春休みも休日も
何度もデートを重ねたね。
まだ高校生の私たちには
予算も行ける場所も限られていたし
翔太にはサッカーの練習が
私には20時という門限があって
決して自由とは言えなかったけど……
どれだけ短い時間でも
私は翔太といられるなら
それだけで、幸せだったんだよ。