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「君は失恋をして、綺麗になった」

第4章 「大人のココア」





私と陽呂は中3の冬まで
家がお隣さん同士の幼馴染だった。




クラスではムードメーカーだった陽呂。


よく先生や友達にイタズラしては
怒られていたっけな。










そして受験を終えた高1の春

勉強が得意じゃなかった陽呂は
スポーツ推薦で
他県の高校へと進学した。


一方の私は
地元の公立高校へと進み
陽呂との関わりも自然と薄れいって
この大学に入学するまで
彼のことは忘れて……











『…いたかった』












正直、陽呂のことは忘れたかった。



陽呂が引っ越した後
自分があんなに
未練タラタラになるなんて…
黒歴史もいいとこだ。



陽呂の誕生日であるバレンタインデーに
気持ちと共に
渡す予定だった手作りチョコを
1人泣きながら食べた2月。


私やクラスメイトにさえ
お別れも言わず引っ越して行った陽呂。











あんなこと
言うんじゃなかったって心底思った。




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