「君は失恋をして、綺麗になった」
第4章 「大人のココア」
それから数時間は
同じサークルの仲良しメンツ6人で
〝前乙〟と称したプチ飲み会。
単位があーだ、彼女がこーだ
バイトがどーだなんて
しょうもない話をしながらお酒を嗜み
時計が0時を回る頃に解散。
ここまではいつもと変わらない流れ。
だけど…
『あれ…
陽呂、何でまだいるの⁇』
いつもなら泊まらず帰るくせに…
「柚子が怖くて寝れねぇから
今日だけ泊まってくれってさ。
お前も今日泊まるんだろ⁇
先に風呂入れば⁇」
『なにを
さも自分の家みたいに言ってんの。
ここは柚子んちだっつーの!』
「ははっ、うっせーよ。笑
細かいこと言わず
さっさと風呂入って来い!」
『はいはい……。
じゃあ柚子と陽呂
お先にお風呂借りるね!』
柚子からタオルを借りて
お風呂場へと向かう。
ふと見た鏡には
長くて綺麗な黒髪をした柚子とは違い
ショートに失敗した私の茶髪。
〝俺は髪の長い子がいいな〟
酔っ払った陽呂の言葉が
ふと頭に浮かんだ。