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「君は失恋をして、綺麗になった」

第4章 「大人のココア」





それからはずっと…
寝たフリをしていた。


酔いも眠気も全部覚めた。





それでも離れ離れじゃなく
こんな近くにまたいれることが…

一緒にいれることが嬉しくて……



不思議と涙は出なかった。





























「……ごめんな、桜」










数十分後

1Kの静かな部屋で
陽呂のつぶやきが小さく聞こえた。


その瞬間
私の右手は大きな温もりに包まれて
優しく、でも力強く握り締められる。




















もう、それだけで…









満足だった。



















幸せだった。



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