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「再会」と呼べる「出会い」

第11章 お仕置きとケツ叩き

昔の名前で俺を呼んだのは
この店の主人に違いない。

部分的な白髪 …というより銀髪か。
整った口髭も印象的だ。
顔は あいつによく似ている。
年取ったらこんな感じなんだろうな。



「初めまして。
 倉田清和と申します。
 もうイイ年なんですが
 これでも一応、
 次朗さんの曾孫に当たるんですよ」


「初めまして
 隠土晴一です。
 弟がお世話に…」

なんだか 変だよな。



「あれ 兄さん 
 来たの?
 たろちゃん、りょーちゃんお疲れ」

「次朗さんっ…!!」

店の奥から現れた次朗を見るなり
香田が駆け寄った。


「もう 限界です!!!」

「は? え? 何??
 こんなに取り乱すなんて
 りょーちゃんらしくないよ?」

「取り乱したくもなるよね」


そう言いながら、
松井先生がカウンター席に座った。


「晴一君 …でいいかな?
 呼び方。」

「はい」


笑った顔なんて特に似ているな。


マスターがコーヒーを出してくれた。
すごく、いい香りがする。




うわ  


「凄く美味いです…!」

「ありがとう」



そっか… 一応俺の親戚なんだなぁ。
しかし、姿勢もいいし
仕草もどこか品があって…
紳士って感じだよな。

いい年の取り方だなぁ。
年齢は五十代位かな…


「次朗さん!
 ミカをさっさと優司さんから
 救って下さい!!
 このままだと手遅れになります!!」


…わ 

…そうだった
そもそも俺達は
次朗のケツを叩きに来たんだ。

やべ

マスターに見惚れてしまってた…。



…すまん  !!


「隠土先生?
 どうしました?」

「あぁいや、自己嫌悪」

「?」

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