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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑


「決まりだな。
 お母さんには話してあるから。
 おばあちゃんは
 ゲートボールらしい。
 リカはまた友達と出掛けるのか?」

「そう へへへ
 実はデートなんだぁ」

「えっ?!」

不意打ちのようなリカの告白に、
お父さんがビックリして目を見開いた。


「お前、そういう子いたのか?!
 誰だ?!同級生か?!」

「他校なんだけどね。
 デートって言っても
 2人っきりじゃないし。
 …私はいいなぁって思うけど
 あいつはどうだか」


リカってばいつの間に…。
そういう相手いたんだ。
中学生だけど
私よりずっとませてるしな。
有り得ない事じゃないよね。

「他校ってどこ?
 名前は何て言うの?」

「四中。神鳥くんっていうの。
 変わった名字でしょ
 野球部の練習試合で
 うちの学校に来て、
 その時仲良くなったの。」







四中  かんどり?!





「…もしかして、
 上にお姉さんいる?」

「いるよ!
 写メ見せて貰ったんだけど
 超っ美人!! 今高2だって。
 そうだ!
 お姉ちゃんと同じ学校だよ、確か」


 
世間、狭すぎる。


「なんだ?
 ミカの知り合いなのか?」

「うん…凄くイイ子なの。」



今日助けて貰ったんだよ

とまでは言えない。


「あんまり羽目をはずし過ぎるなよ。」

「はぁい。
 そっか、お姉ちゃん同士
 知り合いなんだ。
 共通の話題出来ちゃった!」

共通の話題、か。
それは私も、お互い様だなぁ

まさかリカが
神鳥さんの弟と仲良いなんて…。


…?


ポケットの振動が太股に伝わった。


「…え」


「電話か?」

「う うん…」

「なんで出ないの?」


「…え」






だって電話をくれたのは…







優司くん


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