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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「神鳥さん」

「校長先生?!!
 あの …学校が!!」

「大丈夫よ」

茜ちゃんはそう言って
にっこり微笑むと
手の平をかざした。

渦巻く真紅の炎が
手の平位の大きさから
次第に空に届くほど大きくなると、
壊れた景色を飲み込むように
画面だけを吸収する。



後にはいつもの
夕暮れの学校の景色が残る。


俺達は調理室に立っていた。


「…」

かんちゃんは固まったまま
動かない。


「何が… どうなってるの?
 私土手にいたはずじゃぁ…
 なんで??」

「神鳥
 何も覚えていないのか?」

兄さんがかんちゃんの肩を
優しく掴む。

「私 何も
 急に真っ白になって…
 咲希は??
 次朗君 咲希は?!!」

「大丈夫
 たろちゃんがちゃんと
 家まで送っていったから」

「あら
 咲希も襲われたの?!」

いつも冷静な茜ちゃんの
表情が歪んだ。

実はかんちゃんの親友
園田咲希ちゃんは
茜ちゃんの孫だ。


「茜ちゃん
 咲希ちゃんへの説明
 よろしくね」

「…そう
 とうとうその時が
 来ちゃったのね」

茜ちゃんが頭を抱えた。

「…はぁ…」


ため息をつく姿も珍しい。

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