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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

思い出したいよ。
私は何を忘れているの??


「会った事があると思ったのは
 前世で会ってるからだよ」


隠土先生の表情が
次朗君以上に切ない。

思い出して欲しい

そんな気持ちが伝わる。



隠土先生には
近づきたい気持ちがあるのに
身体がなぜか
いつも拒否をする。

それは『申し訳ない』
という気持ちから来るものだ。

何が『申し訳ない』のか、
私はこの人に何をしてしまったのか。


思い出すんだ


下を向くと手が震えている。
震える手の平が
その感触を思い出す。








あぁ そうだ



この人だ




いつも 夢の中で消える
砂になってしまう あの人




「隠土先生が… 
 『ハルシオ』?」



ハルシオ


その名前を呼び
蘇ってきたのは

血に染まった後悔

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