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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「残念だったね
 会える機会はいくらでもあるよ
 今日は帰ろうか」

「え あ うん」

「またゆっくりおいで
 晴一君とでも」 

「晴一君?
 …あ え っは はい」 


晴一君イコール隠土先生


ううわぁぁぁ…!


マスターにまでっ!
急に恥ずかしくなった。



「え
 送んなくていいよ!
 すぐそこだし!!」

「記憶戻したてだから
 一応ね」


結局次朗君は家までついて来てくれた。




「由芽 遅かったなぁ
 …? 友達?」

「お父さん! た ただいま」


今父がタバコを吸いながら
外に出てきた。
原稿に行き詰ると、
たまーにこうして外でタバコを吸う。

実は小説家なんだよね。
元々は国語教師だったらしいんだけど
思い切って投稿した小説が
物凄い賞をとったんだって。
けどそれだけで
先生を辞めるなんて…。
両親に聞いても
いつもはぐらかされてしまうのだ。

 



…って
今はそれどころじゃない!!

お父さんが不審そうな目で
次朗君を見ている。

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