テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第17章 溶ける体温

「また二人っきり」

次朗君の手が


パ シ っ

「だめ!」


伸びてきたので
私はそれを払った。

「勉強しないなら帰って!」

「冷たい…」

「仮でも付き合ってる事になってるなら
 こういうのはダメ!」

「はぁ…
 そういうところ
 兄さんとそっくりだよね
 カタブツ」

ダメな物は   ダメだよ。

私なりの反抗だった。



「…」

「な …何よ」

次朗君の目がすわる。

「ミカこそ妬きモチやいてるよね?」

「そ …そうじゃないもん!」

「そうかなぁ
 絶対そうだと思ったのに
 …違うの?」

「違 …」


違わないよ。


「ミズカ」


その名前で呼ぶの、ズルい。



「…やっぱり無理」

「…」



次朗君は荷物をまとめ、
立ち上がった。


「帰るよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ