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「再会」と呼べる「出会い」

第19章 廃墟と花嫁

「ミカ…!
 良かった 無事で…」

「次朗君?!」



次朗君は安心したように、
窓の向こうで微かに微笑むと
その場に倒れた。







え 




「次朗君
 しっかりして!!」



私は越えてきた窓の中に
再び戻った。
そして次朗君に
駆け寄った。



「次朗君!!!
 なんで?!どうして?!」


「…だっさいよね…
 ごめ…」

漏れるような声




…そっか

私は次朗君を抱きしめた。


「…こんな所まで
 来てくれて
 ありがとう…
 一番苦手な場所なのに」


ここは教会だ。



それは悪魔の血を持つ
次朗君にとって禁区だった。

それに…


恐らく魔力を使って来て、
精気を殆ど失っている。


「あげるね」



私は次朗君の唇を塞いだ。

冷たく凍ったような唇が
少しずつ
解けていくのを感じた。







息継ぎするために
角度を変える。

すると


「…!」


唇の間を
ヌルリと何かが
這い込んできた。

それは激しく
私の舌を絡め取ると
吸い付くように撫でる。
そして歯列を辿り、
口内全体を犯すように
動き回った。


意識が自然に
とろけていく感じがした。
心なしか、
下半身までも
ムズムズしてきた。


「ぁ  ん」



胸に触れた冷たい感触。
冷たい指が
弄ぶように踊る。


「ぁ …あ」


不謹慎な声が
漏れてしまう。



「…ありがと」


ジンワリ火照ってきた身体を
愛おしむように、
彼の腕は私を抱き締めてくれた。



「…おかえりなさい」

頬を
涙が一筋つたっていく。



「ただいま」











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