
「再会」と呼べる「出会い」
第20章 見送る人
戦いの前、
次朗君はミカ先輩の
自分に関する記憶を消した。
それも前世の記憶ごと。
帰ってこれない可能性が高い。
相当の覚悟だったのだ。
ミカ先輩の未来を思っての。
「一度消した記憶は戻せないんだよね」
「…そんな」
香田先輩が悲しげに次朗君を見た。
「ま 後悔はしてないよ」
次朗君はオムレツを口に運んだ。
「あーにーさんの味
やっぱり最高!
っはー!
キヨが淹れてくれたコーヒー
もう一度飲めるなんて幸せ」
後悔してないなんて、本心かなぁ。
「次朗さん 私も本当に嬉しいよ」
マスター、涙目だよ。
次朗君のこと凄く心配してたもんね。
「みんなが
無事に戻ってきてくれて良かった
終わったんだね これで」
マスターがカウンターの角に座る
校長先生を見た。
「…そうね」
校長先生は穏やかな表情で頷いた。
同行した校長先生はアゼットと戦った。
校長先生は凄まじい炎を繰り出し、
決着は簡単についた。
けれど先生は、トドメをささなかった。
その後エレミムを庇い、
代わりに私の攻撃を受けた
アゼットの身体は
「エレミム君
それ 植えてみましょ」
「…」
一粒の種になった。
エレミムがギュッと握った拳の中には
その種がある。
「香田君
鉢植えと土をお願い」
「はい」
パンッ
香田先輩が手を合わせ、開くと
土が発生し鉢植えの形を作った。
校長先生がそれに手をかざすと、
鉢は赤くなって焼けていく。
「松井先生
冷ましてくれる?」
「共同作業ですね」
松井先生はそう言うと
両手をくるりと回し
風を起こした。
冷やされ、素焼きの鉢のようなものが
完成した。
次朗君はミカ先輩の
自分に関する記憶を消した。
それも前世の記憶ごと。
帰ってこれない可能性が高い。
相当の覚悟だったのだ。
ミカ先輩の未来を思っての。
「一度消した記憶は戻せないんだよね」
「…そんな」
香田先輩が悲しげに次朗君を見た。
「ま 後悔はしてないよ」
次朗君はオムレツを口に運んだ。
「あーにーさんの味
やっぱり最高!
っはー!
キヨが淹れてくれたコーヒー
もう一度飲めるなんて幸せ」
後悔してないなんて、本心かなぁ。
「次朗さん 私も本当に嬉しいよ」
マスター、涙目だよ。
次朗君のこと凄く心配してたもんね。
「みんなが
無事に戻ってきてくれて良かった
終わったんだね これで」
マスターがカウンターの角に座る
校長先生を見た。
「…そうね」
校長先生は穏やかな表情で頷いた。
同行した校長先生はアゼットと戦った。
校長先生は凄まじい炎を繰り出し、
決着は簡単についた。
けれど先生は、トドメをささなかった。
その後エレミムを庇い、
代わりに私の攻撃を受けた
アゼットの身体は
「エレミム君
それ 植えてみましょ」
「…」
一粒の種になった。
エレミムがギュッと握った拳の中には
その種がある。
「香田君
鉢植えと土をお願い」
「はい」
パンッ
香田先輩が手を合わせ、開くと
土が発生し鉢植えの形を作った。
校長先生がそれに手をかざすと、
鉢は赤くなって焼けていく。
「松井先生
冷ましてくれる?」
「共同作業ですね」
松井先生はそう言うと
両手をくるりと回し
風を起こした。
冷やされ、素焼きの鉢のようなものが
完成した。
