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「再会」と呼べる「出会い」

第3章 再会日和


…それにしても
いいにおい…

匂いに誘われるまま
調理室に入ると

「部活? 始まる時間か…」

あ いた!

「料理部 部長の佐伯ミカです。
 よろしくお願いします。」

「あぁ、よろしくな。
 …君、もしかして…」

「はい。
 この間はありがとうございました。
 まさかこんな形で
 又お会い出来るなんて…」

「偶然って凄いな。
 身体は平気になったか?」

「はい、おかげさまで
 …あの
 あの時って、何をして
 下さったんですか?
 もしかして、魔法…なんて」

馬鹿な事言っちゃったけど
他に思いつかなかった。

「…ハハ…
 あー…赤外線を当てて
 肩こりなんかを治す機械を
 たまたま持っていて…
 ま、治ったんならいいだろ。」

隠土先生は
首の後ろに手をやり、
苦笑いをしている。

え そんなの持ってた??

…ま、いいか。
身体を治してもらったことに
変わりはないんだし。

そっか、赤外線か。
おばあちゃんも腰が痛い時とか
使ってたなぁ。
本当に利くんだ。

「うわ 美味しそうな匂いは
 これだったんですね?
 けんちん汁ですか?」

コンロに置かれた鍋を覗くと、
湯気を漂わせた、
具が沢山入った汁物。

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