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調理室に戻ると　
部員のみんなが来ていた。
隠土先生の存在を確認すると
色めき立った瞳がキラキラ輝く。

「今年度から
　料理部の顧問になりました。
　安全と衛生に気をつけて、
　楽しく料理していきましょう。
　よろしく。」

隠土先生が爽やかに挨拶した。


「佐伯さん、あとは任せる」

「はい」



正式に部長になって、
初めての部活だ。

ちゃんとみんなを
まとめられるように
気合い入れなきゃ…



よしっ！




「今日は新入生歓迎会での
　部活動の紹介と
　体験入部で作るメニューについて
　考えていこうと思います」

「体験入部か…
　去年はクッキー焼いたよね？
　体験の子達に型抜きしてもらって。」

三年生のスミレちゃんが
最初に声をあげてくれた。

彼女はすごくしっかりしてて、
実は全然、私なんかより頼りになる。
老舗料亭の次期女将として
今から既に、修行している。
だから本格的な和食にも詳しい。
女将修行があって、
毎日参加出来ないのが残念だけど。