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「再会」と呼べる「出会い」

第3章 再会日和

隠土先生と私、それにエミは
差し入れを持って
野球部の練習場であるグランドにきた。
声を出して、みんな元気に練習してる。
春の大会、もうすぐだ。

「サンキューっ!
 お!出たなっ
 晴一のけんちん汁」

林田先生が鍋の蓋を開けた。
下の名前で呼ぶ位、仲良いんだ。

「これ、サイッコーに上手いんだ。
 
 お前ら手ぇ洗えーっ!
 飯来たぞーっ!」

待ってましたーっと
野球部の男の子達がよってくる。

「鍋、空になったら
 俺が返しに行くから」

「お願いします。
 午後から練習試合でしたっけ?」

「そ お前の作った飯を食ったんじゃ、
 絶対勝てるさ
 なんたってジンクスがあるからな
 “勝利のけんちん汁”っていう。」

へぇ…そうなんだ!

…私も少し味見させてもらえば良かった

「今も有効かは、
 分かりませんけど。
 応援してます。」

隠土先生が微笑んだ。





うーん…やっぱり

私、この笑い方 見たことある。


「おー佐伯!
 料理部 部長になったんだってな
 今年度も差し入れ、よろしくな」


「はい
 練習試合、頑張って下さいね!」

部員のみんなをはじめ、
林田先生も食べっぷりがいいから
差し入れし甲斐があるのよね。

チラっと横を見ると
野球部の男の子達に
話しかけられながらも
隠土先生の横を離れようとしない
エミの姿が見えた。

よく見ると睫毛、
更に上に上がってるし、
唇もかなり艶っつやになってる 。

教室でメイク直してきたんだ。

流石…。




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