
好きで、好きで、好きで。
第4章 初めて
いつまでも子供のような操は、中学生になって大人びた女の子には相手をされなかった。
だからいつも優斗のそばについて回っていたから、周りは男の友達しかいなかった。
そんな時、紗理奈が転入してきて操は初めて女友達ができ、ようやく優斗から少し距離を保てるようになっていた。
必死に勉強して、優斗と同じ高校に上がり少しして、優斗は操に笑いかけなくなった。
昔から愛想がないとは言われていた優斗だったけれど、特に操には冷たくなった。
それでも操は気にせず、相変わらず優斗の部屋を行き来したりしていた、ある日…
『お前さ…いい加減にしろよ。』
ベッドで昼寝をしていた優斗の上に、小学生のときみたいに軽い気持ちで飛び乗ると、すごい剣幕でキレられた。
ちょうどその時、優斗は彼女に振られたらしいという事を男友達に聞いていて、操は慰めようと思っていただけだった。
『慰めようと…思って…』
操の言葉にフッと笑うと、そのまま手首を掴んでベッドに押し付け、優斗は彼女の上に乗りかかっていた。
『慰める?どうやって?お前みたいなバカがどうやって俺をなぐさめんだよ?身体で慰めてくれんのか?』
操はあざけるようなきつい口調で、でも弱弱しさも感じる優斗の言葉にびくびくしながら彼を見上げた。
しかし我に返った優斗は頭を掻き毟ると、ベッドから降りて操から目を逸らした。
