
親友の執事
第1章 私たち
玄関のドアを開けようとすると、円香んちの“爺や”こと、川村さんが開けてくれた
「おはようございます、怜様。円香お嬢様は遅れて支度を「ちょっと待って〜〜〜〜〜っ」」
川村さんの話を打ち消した、円香の焦ったような声が、ドタバタとした足跡と共にあちこちで聞こえる
「…おはようございます。円香、今日も遅れるようですね…」
「そのようでございますね…。お車の用意をさせますので、円香様のお部屋をお尋ねして頂けませんか?」
「ありがとうございます。分かりました。」
川村さんが頭を下げ、車庫に行ったのを見たあと、ふぅ、と溜め息をついて円香の部屋に向かった
