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とあるホストの裏事情・完

第9章 男性客、現る。

「将悟……俺もこの店に来て3年も経つんだ。そろそろ名前で呼んでくれても良くないか?」

将悟の頬を撫でながら、甘く、困り顔で言う。

「んー…何で?」
「玲詞さん、の方が興奮する」


…………こういうこと真顔で言う人って、
やっぱ変態なんだね

と、心から思った。


「…………玲詞…さん?」
「………っ……」

将悟が首をかしげながらそう言った瞬間、斎藤さんが目を見開いた。

「将悟……っ、不意打ちはダメだ…」
「えー?」


………俺は今大事なことに気がついた。

…将悟、受けっぽいぞ??  だって、明らかに俺と態度違うし、なんか可愛いオーラ出してるし、妙に斎藤さんと近いし


二人でイチャイチャしている。……ここは、そういう所なんだ。特に男同士だと。

俺は、その場の空気に耐えようと、自分に暗示をかけていた。


ここはこういうとこ…ここはこういうとこ…ここはこういうとこ…
と。

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