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とあるホストの裏事情・完

第9章 男性客、現る。

でも、……将悟が受けかぁ……
世の中何があるかわかんねぇな。

「研斗くん」
「………あっ、はい」

「すごく……可愛い顔してるよね」
「え、あ、…ありがとうございます……?」
「ついでに言うと…俺の好みなんだけど……」
「………」

俺は真顔になった。無意識に、だ。

「玲詞さんって、言ってみて?」
「………玲詞さん…」


将悟よりは色気は無いけど、精一杯頑張ったつもり。
恐る恐る斎藤さんの顔を見ると……
片手で顔を覆ってうなだれていた。

あーあ…どうせ『違う!!もっとエロくだ!!!全然分かってない!!!』とか言われるんだろうな、どうせ…

覚悟を決めて、うつむいて目を瞑った。


次の瞬間。



「んむっ!?」

顎をくいっ、と持ち上げられ、軽く口づけをされたかと思うと、舌がねじこまれる。
カチャン、という音がして、俺の鼻と斎藤さんの眼鏡が当たる。
それを片手で外し、もう一度…と言わんばかりに深く口づけされる。既に斎藤さんの舌は俺の口内で動き回っている。


「んっ!!んんん~~~っ!」
必死に抵抗するも、両手を手で縛られ身動きが取れない。

あーっ、くそ!!!!最悪だ……


そう……思っていたけど…


「んっふ……ぁ、…ンン……」

感じてる……俺がいる。
うっすらと目を開けると、性欲に満ちた獣と化した斎藤さんの目。
目線が下に落ちているため、まつげがよく見える。

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