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とあるホストの裏事情・完

第10章 テイクアウトの罪

「どうぞ」

部屋のカードキーを開ける。すごい高級そうな…
仕事、何してんだ?



「ありがとうございます…」
「あー…んーとね。そろそろ敬語やめない? 堅苦しい感じして、ちょっとヤダな…」
「あっ、は……分かった」
「ん」
満足そうに俺の頭を撫でる。その仕草に、自然に顔が緩んだ。





「…お持ち帰りしたのはいいけど……何する?」
「え……」

俺にお茶を出してくれると、私服に着替えてソファーに座った斎藤さんが言った。

「将悟のときも、こんなだったな」
「そうなんだ…」
「ま、話そっか」
「うん」


それから、他愛もない話をしていた。斎藤さんはすごくいい人で、愛想があって優しくて。話しやすい人だなーと思った。
さすが、将悟が心許した人でもあるな、なんて考えてた。


「あ、そうだ、斎藤さん」
「なに?」
「あの…やってるときの将悟って、どんな感じだった?」

突然思い付いた質問に、斎藤さんは少し考えてから口を開いた。

「とにかく…あざとい……かな…」
「あざとい……」
「うん、話せば長くなるんだけど、いい?」
「うん、いいよ」
そんなに話したいのか、と思って、苦笑しながら返した。

「ありがと。…とにかくね、あざといんだよね、可愛いんだ。やってるときは、何か…こう、俺に全てを委ねてる感じ?俺が中に入ったときの眉間にしわを寄せた顔。あれはもうたまんね…。超絶エロいね、もう瞬殺。イキ顔とかもうどうしようもなく舐めてやろうかとも思ったんだけどさすがに引かれるかなーとか思って愛撫で我慢したんだよ…俺…」

「なるほど……」
かなり早口で将悟の魅力について語ったあと、小さく呟いた。


「よく、研斗のこと話してた」
「………え…?」

俺が小さい声でそう言う。

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